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【コラム債務整理5】消滅時効援用とはどういう手続き?

司法書士の本松です。
今回は債務の消滅時効の援用についてお話をしたいと思います。

お金を借りた場合は借りたお金を返済しなければなりませんし、何かを買った場合はその代金を、有償のサービスを受けた場合はその対価を相手方に支払わなければなりません。

しかし、うっかり支払いを忘れていた場合などに「50年前の借金を返してください。50年分の利息も付けてね。」と突然言われても困ってしまいますよね?

そのような場合の救済措置として利用できるのが「消滅時効の援用」です。

一定期間、まったく返済がなく、その他の時効期間の進行を妨げる事情(「時効の中断事由」といいます。)が無かった場合、時効の援用手続きを行うことで支払義務を消滅させることができます。
一定期間とはどれくらいの期間かと言うと、原則的には支払う相手が金融会社等の場合5年間、一般の個人の場合は10年間とされています。(※令和2年4月に民法の債権法改正が行われた関係で、令和2年4月以降にお金を借りた場合はいずれの場合も原則5年間となります。また、信用金庫、政府系金融機関(住宅金融支援機構や日本政策金融公庫など)など、例外的に10年間となる借入先もありますので注意が必要です。)

当事務所が最も多く問い合わせをいただくのが、金融会社(銀行、消費者金融、クレジットカード会社、信販会社)からの借入金に関するものです。
金融会社に対する消滅時効の期間は5年間になりますので、まずは5年以上まったく返済をしていないことが時効援用の前提条件になります。

それでは5年間を計算する上でのスタート地点はいつになるのでしょうか?
通常、金融会社からの借入れの場合は、リボ払いなどの分割返済の契約になっていることが多いと思います。
その場合、「返済が遅れたら〇〇%の遅延損害金を支払ってください。2回以上返済が遅れると支払日までの遅延損害金を付けて一括で返済してください。」という契約になっている場合がほとんどです。
もともと分割で返してくれればいいですよ、という内容だったのに、返済が遅れたことによって一括請求に切り替わることを「期限の利益の喪失」と言います。
一括で返さなくていいという時間的な(期限の)利益を喪失してしまうという意味になります。

この「期限の利益を喪失」した日が消滅時効期間の5年間を計算する上でのスタート地点となります。

返済をしなくなってから5年間経過しただけでは消滅時効期間を経過していないことになりますので、注意が必要です。
会社により多少のズレはあるかと思いますが、分割返済が滞ってから少なくとも2~3カ月は経過しないと期限の利益は喪失しないと思います。

そしてその中でも「何年も支払ってなかった借入れの督促が来るようになった。」「知らない債権回収会社から請求の通知が届いた。」「裁判所からの書類が届いた。」など、いくつかの類型がありますので、ケース別に解説していきます。

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【ケース1】借りた会社から請求されている
まずは、当時借りた会社自体から請求される場合です。
「そんなの当たり前でしょ?」と思うかも知れませんが、数年間以上放置していた借入の請求としては、全体の3割くらいではないかと思います(※私の感覚値なので正確な割合ではありません。)。
他のケースについては後述します。

【ケース2】債権回収会社から請求されている
一般的にはあまり知られていないかも知れませんが、「債権回収会社」という業種の会社が存在します。
分かりやすくいうとプロの取立屋のようなもので、他社から委託を受けての貸金などの回収業務や、他社から貸金債権(貸したお金を返してもらえる権利)を譲り受けたりして、もともとお金を貸した会社に代わって請求するという業務を行っています。

請求された本人としては取引したことのない聞き覚えのない会社なので「何かの詐欺かも知れない」と思って、放置してしまう場合もあるようですが、債権回収会社は法務大臣の許可を受けて合法的に営業している会社なので、放置するのは危険です。

【ケース3】法律事務所から請求されている
最近は、金融会社が貸金の請求手続きを弁護士に委任するケースも増えています。また、上記の債権回収会社がさらに弁護士に委任するケースもあります。
ケース2の場合でも同様のことが言えますが、法律事務所から通知が届いた場合、もともとの相手先の会社(「原債権者」と表示されている場合が多いです)が記載されていますので、まずは元の取引を確認することが大切です。

【ケース4】保証会社から請求されている
特に銀行のカードローンに多いのですが、最初の契約時に保証会社が付いている場合があります。本人から銀行への返済が滞った場合は、保証会社が本人の代わりに銀行等に返済し、その代わりその後は保証会社から本人に請求が来るという仕組みになっています。この場合は5年間の消滅時効期間が他と少し違うので注意が必要です。保証会社が銀行等に代わりに返済することを代位弁済と言いますが、この場合、この代位弁済日が時効の計算でのスタート地点となります。

【ケース5】(※重要)裁判所から通知が届いた
上記のどのケースでも当てはまることですが、相手方からの請求を無視し続けていると、「お金を支払いなさい」という裁判を起こされることがあります。裁判を起こされると裁判所から「特別送達」という少し特殊な郵便物がご自宅または職場に届きます。書留郵便と同じく受け取るためには署名または捺印が必要です(本人でなくても構いません。)。留守にしていた場合、郵便局の不在票がポストに入っています。
裁判でもいろいろな手続き方法がありますが、数年間放置していた借入の請求の場合、最も多く使用されるのが「支払督促」による方法です。支払督促で請求された場合、書類を受け取ってから2週間以内に裁判所に異議を申立てないと請求が確定してしまいます。

つまり、本来なら消滅時効の手続きで支払義務を消滅させることができた場合でも、裁判が終わってしまうと、その手続きができなくなってしまいます。そのため、もし裁判所から支払督促が届いた場合は、まずは2週間以内に裁判所に異議申立てを行い(異議申立てを行うことで通常の民事裁判に切り替わります)、その上で、裁判上で消滅時効の援用を主張する必要が生じます。

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いずれの場合でもなるべく早めに適切な対応が必要ですが、特にケース5の場合は対応に気を付けなければなりません。

また、突然前触れもなく裁判になることは考えにくいので、ケース1からケース4の対応を放置したことによってケース5になってしまったと考えるべきです。

時効の援用を検討するということは、少なくとも5年間以上借入を放置していることになります。利息・遅延損害金は日割り計算で1日ごとに増えていきますので、元金の数倍に膨れ上がっていることも珍しくありません。消滅時効の援用手続きの対応を誤ってしまったり、面倒だからと対応そのままを放置してしまうと、それだけの多額の支払いを背負ってしまうことになります。

以前にも増して最近の金融会社はシステマチックに請求して来ますので、通知を送っても反応がない債務者には裁判(特に支払督促)を起こしてくるケースが増えてきているような気がします。債権回収会社や代理人の法律事務所の活躍を見てもそれは明らかです。

「何年も放置しているから、もう大丈夫だろう」などと油断することなく、キチンと処理することをお勧めします。

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