【相続解決事例】遺言書作成・市原市・K夫妻

 千葉市内で暮らすKさん夫妻には、遠方で暮らす長女、市外で暮らす次女、実家と同じ敷地に自分の家を建てて暮らす長男の3人の子がいます。

 長女には子が1人生まれ、現在は小学生になった子と夫の3人で暮らしています。

 次女には子が2人いてどちらももう成人しているのですが、次女は10年程前に離婚しています。次女は実家から1時間ほど離れた市外で暮らしています。

 長男はHさんの家がある同じ敷地内に家を建てて、妻と高校生と小学生の2人の子と暮らしています。

 

 次第に高齢になっていき、将来の自分の相続のことで子どもたちに争って欲しくないと思っていたKさん夫妻は当事務所に相談に来られました。Kさんの意向は次のようなものでした。

 

・Kさん自身の財産も妻の財産も、できれば3人の子に平等に分けたいと思っている。

・しかし、どうしても同じ敷地内に住んでいる長男とその妻にこの先迷惑をかけるだろうから、それも考慮したい。

・おそらく夫である自分が先に亡くなると思うので、妻にも生活資金としてある程度の財産とこの家を残しておきたい。でも万が一妻が先に亡くなったらどうなるかも心配だ。

 

 一方、Kさんの妻はこのように考えていました。

 

・平等に分けるのが筋だとは思うけど、やはり次男夫妻には世話になると思うからそこは気になる。

・夫が先に亡くなった場合、もちろんこの先の生活資金の心配はある。でも自分にもそれなりの蓄えがあるし年金もあるので、なるべく子どもたちに分配して欲しい。

 

 そこでまずはKさん夫妻の財産をリストにして考えることにしてみました。すると次のような財産構成になっていました。

 

≪Kさん(夫)の財産≫

・土地(自宅の敷地)

・建物(自宅)※妻と2分の1ずつ共有

・預貯金3000万円(定期預金含む)

・生命保険400万円(受取人は妻)

 

≪Kさん(妻)の財産≫

・建物(自宅)※夫と2分の1ずつ共有

・預貯金1300万円(定期預金含む)

 

 Kさん夫妻の意向を反映させるために、遺言書の作成を勧めたところ、もともとKさんもそれを考えていたとのことでした。不動産の評価額や路線価なども調べてみましたが、どうやら相続税が発生する心配はなさそうです。配偶者控除などは考える必要はないので、税金を気にせずに自由に財産の分配について考えられます。そこで当事務所は次のような提案を行いました。

 

・公正証書で遺言書の作成を行うだけでなく、第三者の遺言執行者を指定することにより相続争いの火種を消しておくこと。

・Kさん夫妻どちらが先に亡くなるかわからないので、遺言書の内容をどちらの順番で亡くなっても対応できるようなものにしておくこと。

・同様の理由で、妻も同じく遺言書を作成しておくこと。片方の相続が整わないうちにもう片方の相続が発生してしまうと、争いの元になる可能性もある。

 

 お2人ともこの方針に納得していただいたので、何度か打ち合わせを重ねながら最終的には次のような遺言書を公正証書で作成しました。なお、相続で争う隙を与えずに粛々と手続きを進めるためにも、当事務所を遺言執行者として指定してもらいました。

 

≪Kさん(夫)の遺言書≫

・預貯金は妻、3人の子で4等分する。

・土地(自宅の敷地)は長男へ相続させる。

・建物(自宅)の共有持分(2分の1)は妻へ。

※ただし、先に妻が亡くなっていた場合は

・預貯金は3人の子で3等分する

・建物(自宅)の共有持分(2分の1)は長男へ。

・生命保険金の受取人を妻から長男へ変更する。

 

≪Kさん(妻)の遺言書≫

・預貯金は3人の子で3等分する(夫は相続しない)。

・建物(自宅)の共有持分(2分の1)は夫へ。

※ただし、先に夫が亡くなっていた場合は

・建物(自宅)の共有持分(2分の1)は長男へ。

 

 

 しかし、この内容だと不動産に関しては最終的にすべて長男が相続するので、単純に金銭的に換算すると3人の子で平等というわけにはいきません。その点はKさんも気になっていました。しかしKさん夫妻の考えと当事務所の説明により、最終的には上記の内容のまま変更なしということになりました。ポイントは次のとおりです。

 

・本来、遺言書とは自身の財産の分け方を自分で指定するもの。自分の好きなように決めてよい。

・自宅の土地・建物を売却する予定があるわけではないので、仮に土地を長女や次女にも相続させたところで(子3人で共有になるので)、2人も迷惑する可能性が高い。さらに次の世代(孫たち)が相続する際に、権利が細分化し過ぎて相続手続きが進まなくなる可能性がある。

・長男は家を建てて住んでいるわけだから、土地を長男が相続するのは妥当。

・長男は不動産を優先的に相続させる代わりに、Kさん亡き後のお墓やお寺さんとの付き合いをしてもらうことにし、その旨も遺言書に記載する(法的拘束力はそこまで強くはありませんが、遺言書によりその後の永代供養やお寺さん等の対応担当者(「祭祀を主宰すべき者」といいます。)を指定することができます。)。

・Kさん夫妻に介護や入院・通院などが必要になった場合、長男夫妻の負担はどうしても多くなる。その代わりとして相続で優遇してあげるのはむしろ妥当。

 

 実はKさんはここ数年、相続のことですっと悩んでいて何回か遺言書についてのセミナーや書き方教室に通ったこともあったとのことです。

 「これで胸のつかえが取れました。これからは平穏な心で生活できます。」と喜んでいただくことができました。Kさんの妻も「自分自身も相続のことが気になってがいたけど、何より、夫が『ああでもない、こうでもない』と悩んでいる姿を見るのが心苦しかった。これですっきりします。」とこちらも安心されたようです。

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